2016-10-14

◯◯の秋!

皆さん、こんにちは。
ネットワークデザイン事業部の高橋です。
台風の影響で東京で3年ぶりに10月に真夏日が観測されましたが、やっと秋らしい気温になりましたね。
ところで、秋といえば「◯◯の秋」なんていいますが、皆さんは今年の秋はどのように過ごす予定でしょうか?
私は読書の秋にしたいと思っています。
まぁ、季節に関係なく年中読んでいますが・・・

私が本を読む理由

ちょっと古いですが、2014年に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によると、すべての世代で本を全く読まない が「47.5%」なんですね。(全国16歳以上の男女3000人を対象のアンケート)
本を多読するキッカケはたまたま本屋で手にした本多直之さんの「レバレッジ・リーディング」です。
レバレッジ・リーディングの中で「仕事で結果(アウトプット)を出すには多読による学習(インプット)がもっとも大切だ」の言葉に影響を受け、ビジネス書を読んでは要点をまとめてEvernoteに書き込んでいました。
子供が生まれた今では、自分はどんな親になるべきか。
また、どんな人間であるべきか。などをよく考えるようになり哲学や思想、道徳、倫理学などの本を手に取るようになりました。

自分の思想をもつこと

自分が思う立派な親や立派な人間になるには、まず立派な思想を持たないとなれないと考えています。
また、古典や哲学、思想の本を読んですぐに “理解” することは皆無であり、読んだ直後は書いてある内容を知識として得ただけの ”知る” の状態であり、内容を理解するにはこれまでの人生経験やこれから起きるさまざまな人生経験の中で自分が感じた思いと合わせて考えることで、残していった偉人や思想家である彼らの深い智慧のこもった言葉を理解することができ、他律ではなく自律的に考えた自分だけの思想を作り上げることが出来ると考えているからです。

上半期に読んだ本の一部をご紹介

ジャンルは古典や哲学書、小説などを中心に読みますが読む目的は読んだ後に自分なりに色んな角度から考えることや、新しい気付きにとても喜びを覚えます。
いい面ばかりでなく哲学や思想の本を読むと色んな感情や考えに頭がもたげてくることもしばしばですが・・・
まずは、2016年上半期に読んだ本の一部をご紹介致します。




倫理学といえばトロッコ問題?

上半期に読んだ中で、倫理学に分類されるであろう本は下記の3冊。
・これから「正義」の話をしよう
・それをお金で買いますか?市場主義の限界
・自由論
どの本もすごく、考えながら読ませていただきました。
マイケル・サンデルの「正義の話をしよう」の中で紹介され読むキッカケとなったミルの「自由論」には、かなり影響を受けました。
ところで、倫理学で有名な問題のひとつ「トロッコ問題」を皆さんはご存知でしょうか?
名前は聞いた事あるという方も多いのではないでしょうか。
トロッコ問題とは?
まず、前提として、以下のようなトラブルが発生したものとする。

線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。
このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。

そしてA氏が以下の状況に置かれているものとする。

この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。
しかし、その別路線でもB氏が1人で作業をしており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。
A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?

なお、A氏は上述の手段以外では助けることができないものとする。
また法的な責任は問われず、道徳的な見解だけが問題にされる。
あなたがA氏なら、どのような選択をしますか?
この問題は長年議論され続け、現代では一応答えが出ていますが数年後か数十年後には答えが変わっているかもしれません。答えを知りたい方もいるかと思いますが、まずは自分で考えたり友達や仲間と話し合ってみてはいかがでしょうか?

哲学を読むなら光文社古典新訳文庫で決まり!

日本の哲学者であるN氏の著書の中で紹介されていたのをキッカケに知ったキルケゴールの「死に至る病」。
自分の理解力のなさに幻滅しながら読み進めました。
一通り読んだ後ネットで解説している方のブログを読んで、ちょっとだけ理解出来た本です。
そもそも岩波文庫から出版されているのを手にしたのが過ちでした。
岩波文庫でもショーペンハウエルあたりは読めますが、キルケゴールは私みたいな読解力と理解力に乏しい人は、光文社古典新訳文庫がおすすめです!
光文社古典新訳文庫で手に取ったはプラトンの「饗宴」!
有名な哲学者ソクラテスが現代でう男子会を開きエロス(愛)について各々が賛美するという内容。
光文社古典新訳文庫は、とても読みやすい翻訳で解説もついているので理解しやすいので本当におすすめです!!

マーク・トウェインに・・・涙

ブログの内容が長くなってきましたので、マーク・トウェインの本について書いて終わろうと思います。 いつも最後までお読みいただきありがとうございます。
マーク・トウェインってご存知ですか?
名前は知らなくてもこれらの本の名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「トム・ソーヤーの冒険」
「ハックルベリー・フィンの冒険」
当時、これらの書を世に出し作家として有名になったマーク・トウェインは喜劇作家として知られていました。
しかし、晩年に書かれたとされている「人間とは何か」「不思議な少年」は、喜劇作家とは真逆の悲劇作家とのイメージを与える内容のとなっている。
「人間とは何か」とは、人生に幻滅した老人と人生に希望を持つ若者が対話形式で織りなす内容で、声にだして笑ってしまうほど面白く、内容にどんどん引き込まれる不思議な本ですが、この時私はなぜマーク・トウェインはこの本を書いた理由など考えもしませんでした。


「不思議な少年」とは、サタンという名の美少年が小さい村に現れる。
美少年サタンには不思議な力があり、村の少年3人は美少年サタンと共にさまざな出来事を経験するのだが・・・
そこで、私はこの2冊を読み終えた後に、マーク・トウェインのことをWikipediaで調べてみると…
目頭が熱くなることと同時に言葉にできないさまざな感情が頭の中で埋め尽くされたことを覚えています。
私が思うに喜劇作家として活動していた当時は、書くことを仕事としてまた読んだ人に楽しんでもらいたい。という気持にあふれていたと思います。
晩年につれマーク・トウェインの身のまわりに起きた出来事が本来の作家としてではなく、自分のために書いた本ではないかと私は思っています。

次回は下半期によんだ本をご紹介できればと思います。
それでは、また。